レザークラフトで革を縫う時には菱目打ちという道具を使い、木槌で「コンコン」と先に
穴をあけておいてから、縫っていきます。
この作業が結構難しく、打ち込んでいく表面は綺麗に穴が揃うものの、菱目打ちをしっかりと
垂直に打ち込まないと斜めに穴があいてしまうので、
裏面を見ると穴がバラついてしまっている・・・なんて事もよくあります。
さらに、木槌などで叩いて穴をあける作業は大きな音が出ますので、マンションにお住まいの方や、
夜遅くにしか作業ができない会社員の方は、家族やご近所さんに気を使いながら穴をあけている
かと思います。
が・・・
なんと!
そんな菱目打ちの問題を一気に解決する物があったのです!
それが・・・
「菱目打ち機」なのです。
僕も、菱目打ち機なんて物があるとは今まで知らなかったのですが、菱目打ち関係の事を
ググッている時にたまたま発見しまして、よくよく調べてみると結構自作されている方も
いらっしゃるじゃないですか。
「それじゃ~ネタにもなるし、作ってみよ~!」
となったのです。
ネット検索で出てくる菱目打ち機は、菱目打ちが1本付けられるようになっている物が多いのですが、
実は菱目打ちには刃の数が数種類あり、それらを取っ替え引っ替え使い分けて作業するんです。
直線部分は4連や6連タイプ。
カーブ部分には2連や1個穴タイプ。
といった感じです。
そこで僕は、取り替えの手間をなるべく減らして作業効率を良くする為に、2連の菱目打ち機を
製作する事にしました。
では、早速パーツを揃えます。
まずは、レバー部分。
こちらのクランプは2ケ使用します。
- スーパーツール(SUPERTOOL) 横押し型トグルクランプ TPA50F 参考価格2000円
続いて、菱目打ちを取り付ける部分。
- フェリモア ドリルチャック キーレス ドリルアダプター 参考価格1980円(2ケ)
たまたま2ケセットで販売していましたのでこちらを購入しましたが、色々なメーカーの商品が
ありますので、SDSシャンク(軸)が外せて、そのネジがM12x1.25ピッチであればどれでもOKです。
最後に、クランプとチャックを連結するパーツ。
僕が購入したクランプは取り付けネジがM10x1.5の物でしたので、ドリルチャックのM12x1.25を
M10x1.5に変換するアダプターが必要になります。
- ナカノ 口径変換アダプター M12x1.25→M10x1.5 参考価格999円
口径変換アダプターにはネジの径やピッチの組み合わせがたくさんありますので、ご注意下さい。
これで金具は揃いましたので、次は土台やアーム部分に使用する木材です。
- SPF材 2×4 6フィート 3枚 350円前後(1枚)
- SPF材 1×4 6フィート 1枚 200円前後
材料を丸ノコで切っていきます。
ジャスティーがあれば同じ角度で何本でもカットできます。
- シンワ測定 丸ノコガイド定規 ジャスティーII 定価2150円
こんな感じで全てカット。
それから仮組みをして、使用している菱目打ちやチョイスしたドリルチャック、クランプに
現物合わせで調整していきます。
アームの角度は、なんとなく60度にしました。
今回は、図面も無いので行き当たりばったりで作ってます。w
初登場?の卓上ボール盤。
楽すぃ~~!
真っ直ぐな穴があけられてめっちゃ便利なので、必要以上に穴があけたくなりますね。
でも、必要な分しかあけません!w
クランプの取り付けボルトが干渉してしまったので、グラインダーで削ります。
大きめのC面をつけて、逃がしました。
そして組み立て。
コーススレッドを打ち込んでいきます。
クランプ取り付け面と土台の直角は頑張っても出ないと思うので、この段階ではあまり気にしません。
そして、組み立てた後にクランプ取り付け面をグラインダーで削って、そこそこ直角出し。
取り付け面に多少の傾きがあっても、クランプのストロークはせいぜい革の厚み3~4mm程度ですので、
気にしない気にしない。
出来上がった2つを連結し、ドリルチャックを組み込んだクランプを取り付け・・・
完成~!
早速、菱目打ちをしてみましょう!
グッ、グッ、グッ・・・
て、マジか・・・
クランプの圧力に負けてアームが動いてしまい、穴が貫通しないじゃないか~!
やっぱりコーススレッドでの固定だけじゃダメか・・・
んーーーーー。どうしよう?
悔しいし、めんどくさいですが、また全部バラしてそこら辺にあったG17ボンドを塗りたくってみます。
ほんと言うと木工用ボンドで接着したかったのですが、買いに行くのもめんどくさかったので
これで茶~濁しときました。w
ボンドが落ち着くまで一日待って・・・
固まったかな?
どうだ~!
グッ、グッ、グッ・・・
まだちょっと動くやないかい!
チキショーーー!
ここまできたらとことん補強してやろうじゃないか!
かかってこんか~い!
翌日、丸のこは片付けてしまったので、手ノコでギコギコとパーツを作って・・・
補強。
なんかえらいゴツくなってしまいましたよ。w
でも、ここまできたら後には引けませんがな!
ついでに1×4材に穴をあけて、作業テーブル的に土台に貼り付けよう。
作業面は綺麗にコーススレッドを埋め込みたいので、一手間加えて面取りもします。
で、貼り付け。
ボンドが落ち着くまでまた一日待って・・・
今度こそ完成~!
めっちゃズッシリの安定感。w
これだけ補強しとけば大丈夫でしょ?
では、緊張の瞬間!
グッ、グッ、グッ・・・
しゃーーー!
ガッチリ固定されてますよ!
勝った!w
(↑誰にw)
今のところ試した革の厚みは、キーリングの材料で2mmx2枚=4mmはイケてます。
力を入れなくても楽に穴があきますし、コンコン叩かなくていいので静かに真っ直ぐあけられるのが
嬉しい~!
これで夜間の作業もはかどるぞ~!
ただ・・・
菱目打ち機が便利すぎて、本来の菱目打ちの腕前があがらない。
というデメリットもあります。w
※その後、菱目打ち機をプチカスタムしています。
詳細はこちら↓